明治生命館

北木産花崗岩 山本兄弟商会

凡そ高層美術建築物に対し豪壮極まる外観日と優雅なる典型を残すことに依って石材の選択には相当悩みの種とされて居る現在の建築物は余りに単調に過ぎ変化に乏しい憾(うら)みが感じられて居る。本館建築は大熊、溝口両技師永年の経験と研究のもとに、北木産花崗岩をとのご指定で山本兄弟商会(採掘元)が10万切を採掘納入したのであった。2ヶ年間の歳月を費やし1日平均200人を以って採掘運搬に従事し美(見)事代表する本館に取り付けられたもので其の犠牲的努力と採掘準備こそは涙ぐましきものなのであった。色彩の順調艶麗美、品質剛健等々は此のクラジックな設計建築に合して全く落書きのある代表的なものと云はねばならぬ。・・・、

昭和聖代の文化を百年の後世に誇る唯一の烙印を残したものであった。記者は、事大建築に使用される外装石材は此の北木産花崗岩が最も優であることを付記す。